「形声」略字とは、字の一部分を同音あるいは近音のより簡便な声符ととりかえる、といった方法である。
この略字の利点は、同音代替と同じく、初見でも読みやすく、意味も文脈から推理しやすい、また覚えやすい、といったところか。
1.形声字の声符をより簡単な声符に
「極→极」:極jí/亟jí→及jí
「遼→辽」:遼liáo/尞liào→了liǎo
このように、新しい声符はほぼ同音字を使うのが一般的。
「燦→灿」:燦càn/粲càn→山shān
画数削減のために標音性が減ることもある。
「遲→迟」:遲chí/犀xī→尺chǐ
これは標音性が上がっている。
「積→积」:積jī/責zé→只zhǐ
三字とも同音でないパターン。
「塊→块」:塊kuài/鬼guǐ→夬guài(快kuài)
「潔→洁」:潔jié/絜jié→吉jí(結jié)
これは同音字と声符を揃えたもの。
2.字の一部分を声符に
「勝→胜」:勝shèng/生shēng;「勝」は「朕zhèn+力」の形声字。旁を同音字に換えた。
のように、もとの字源構造を維持しないパターン。
「審→审」:審shěn/申shēn;「審」は「宀+番」の会意字。下部を同音字に換えた。
形声字以外を形声字化することもある。
3.意符も交換
「護→护」:護hù/蒦huò→户hù
意味に従って交換するもの。
「憂→忧」:憂yōu/尤yóu
交換というより一からつくっているようなもの。
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