2016/01/08

字典類の紹介2《新金文編》

董蓮池 編著 (2011/10) 《新金文編》 作家出版社

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でかいし重い
箱のサイズがきついので中卷の箱が壊れた



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 配列は説文順、亥部の後に合文・附録一(図象)・附録二(隷定不可字)がある。同一字種内は字体別に分けられ、同一字体内は時代順、同一時代内は出典番号順に並んでいる。例によって附録部分は検索不可能、配列順もよくわからないので不便。また例えば「犬」字は正編P1403に掲載されているが、それとは別に附録一P124にも存在するというわかりにくさもある。巻末に筆画索引と拼音索引がある(が上述したように例えば「犬」を引いても附録一P124には辿りつけない)。
 各字形は拓本を切り貼りしただけである(《新甲骨文編》や二玄社の各書道字典のような「ゴミ取り」はされていない)。《金文編》のような模写は誤りが生まれるからよくないとか序文に書いてあったと思う。よってなるべく拓本のきれいな字のみを収録している。また特殊な字体のものや学説が一定していないものは収録を避けているようである。ちなみに日本で出ている書道字典の多くは《金文編》の字形を用いているようだ。小學堂金文の字形も《金文編》をトレースしたものである(《新金文編》をトレースしたものも一部ある)。
 各字形には器名・時代・出典が併記してある。一部の字には軽い解説や釈文が載っていたりする。器名が問題で、特に器名に通仮字が含まれる場合に、出典とは異なる名前を掲載しているものが多くあるので注意が必要。
 出版は2011年10月だが実際の編纂作業は2010年秋に終わった模様。5年もたつと旧釈がところどころ目立つ。
 値段は1986元(約35000円)。日本で買うとおそろしい値段になる。

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