2015/02/01

「同音の漢字による書きかえ」3

●掩護→援護
「掩護」は戦闘行動の場合にしか使わないらしい。それ以外は「援護」。
古坂明詮《時局下に於ける軍事援護事業について》(1938)は軍の話題なので混乱しやすいけど、単純に助ける「援護」のほう。
大日本国語辞典》(1915)、《大日本国語辞典》(1941)には「掩護」しか載っていない。

●恩誼→恩義
《漢語大詞典》「恩誼」
│ 1.恩德情誼。
│  《醒世恒言‧李玉英獄中訟冤》:“此行一則感老爺昔日恩誼,二則見公子窮途孤弱,故護送前來。”
《漢語大詞典》「恩義」
│ 1.道義;恩情。
│  《淮南子‧人間訓》:“或有功而見疑,或有罪而益信,何也?則有功者離恩義,有罪者不敢失仁心也。”
「恩誼」はよしみ、いつくしみ。「恩義」は恩と義理。ということらしいがよくわからない。
そもそも「誼」の字が「義」から派生した字のようで区別する意味がないように感じる。
大日本国語辞典》(1915)では項目が統合されている。