2016/12/06

《大漢和辞典》第七巻中の難字2

【𤆜】【㶥】【𤆙】【𤆰】【𣲱】 【𤆳】【𤇞】【𤇜】【𤈔】【𤈓】
【𤉌】【𤉎】【𤉍】【𤉏】【𤊚】 【煱】【𤋫】【𤋭】【𤌷】【𤍁】
【𤌿】【𤍀】【𤏜】【𤏗】【𤐔】 【𤐮】【𤑌】【𤑄】【𤑩】【𤑪】
【𤑤】【𤑦】【𤑡】【𤑣】【𤑥】 【𤒝】【𤒔】【𤓑】【𤓤】




【𤆜】18885 クワイ 義未詳 〔字彙補〕𤆜、音卦。
《篇海》卷十三《火部》四畫引《搜真玉鏡》 (473b)
  𤆜,音卦字。出西國。
 「𤆜」はおそらく「卦」の異体字である。《篇海》卷十三《火部》十畫引《搜真玉鏡》「𤌻,今作“卦”字。」(475a)、「𤌻」「𤆜」は近形同音、おそらく同一字種であが、「𤆜」「𤌻」の字源は不明。《考釋》(501)参照。

【㶥】18888 カン 義未詳 〔龍龕手鑑〕㶥、音干。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (240)
  ,俗。音干。
 待考。「乾」の会意異体字か。観智院本《名義抄》佛下末《火部》「㶥,俗“乾”字。」とある。

【𤆙】18889 スイ 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𤆙、音水。
《篇海》卷十三《火部》引《搜真玉鏡》 (473a)
  𤆙,音水。
 「𤆙」は「水」の伝抄古文「𢎴」が変化した字である。「𢎴」は「兵」の篆書が変化した字と考えられ、「水」の古文とするのはおそらく誤り。「音水」は「音氷」の誤り。《考釋》(501)参照。

【𤆰】18914 シ 義未詳 〔五音篇海〕𤆰、音仕。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (242)
  杰𤆰,音仕。二同。
 「𤆰」は「士」が変化した字である。東漢《鮮于璜墓碑》「國無人兮王庭空,[⿻土八]罔宗兮微言喪。」(《校注》1/0094、注釋「[⿻土八]:同『士』,隸書加衍畫,以與『土』相區别。」)、東漢《譙敏碑》「識真之𣎶,謂君爲喆。」(《校注》2/0142、注釋「𣎶:同『士』。」)、「士」はまた「⿻土八」「𣎶」に作る。「一」旁は俗に「灬」に作り、また「灬」は俗に「火」に作る。したがって「𤆰」は「士」が変化した字と考えられる。《考釋》(361)参照。

【𣲱】18927 トツ 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𣲱、音突。
《篇海》卷十三《火部》四畫引《搜真玉鏡》 (473b)
  𣲱,音突。
 「𣲱」は「突」の伝抄古文(「𡿮(𠫓)」)が変化した字である。

【𤆳】18929 ㊀ト㊁バイ 義未詳 〔川篇〕𤆳、音賭、又、亡罪切。
《篇海》卷十三《火部》四畫引《川篇》 (473b)
  𤆳,音賄。又亡罪切。―爛。
 「𤆳」は「燘」の草・行書を楷書化した字である。《廣韻》上聲《賄韻》呼罪切「燘,熟皃。又亡罪切。」(271)、同武罪切「燘,燘爛也。又呼猥切。」(272)、「𤆳」「燘」は近形同音同義である。《叢考》(670)参照。

【𤇞】18971 カ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤇞、古何切。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (240)
  𤇞,古何反。
 「𤇞」はおそらく「㤎」が変化した字である。《廣韻》平聲《歌韻》古俄切「㤎,法也。楷也。」(159)、「𤇞」「㤎」は近形同音である。《考釋》(506)参照。

【𤇜】18976 ビン 義未詳 〔五音篇海〕𤇜、音旻。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (239)
  𤇜,俗。音旻。
 「𤇜」は「罽」が変化した字である。「音旻」は誤り。
 《玄應音義》卷十三《佛般泥洹經》下卷音義「胞䍕:補交反,下武貧反。大臣名也。經文作“𤇜”,非也。」(282a)、《可洪音義》卷二十五《一切經音義》第十三卷音義「作𤇜:音𦋺。正作“𣯅”。人名。應和尚以“罠”字替之。」(60/371c)、同卷十三《佛般泥洹經》下卷音義「胞罠:上布交反。下或作“罽”。同居例反。人名也。《佛說般泥洹經》作“福𦋺”,《大般涅槃經》作“弗迦沙”,《長阿含》作“福貴”,並一義也。《經音義》作“𤇜”以“罠”替,之羙方反,非也。」(59/1018a)対応経文:西晋・白法祖譯《佛般泥洹經》卷下「時,有華氏國人中大臣名胞罠(宋、元、明、本作“罽”),隨道而來,遙見佛威神,形貌端正安靜而坐。」(T01,p0168a)、玄應は「𤇜」を「罠」の異体字とするが、可洪はそれを否定し「罽」を正字とする。《般泥洹經》卷下「時,諸華大臣,字福罽,行遙見佛,諸根寂默,得上調意之滅淨,具顏色明好,心歡喜前禮佛,揖讓畢一面住。」(T01,p0183c)、呉・康僧會譯《六度集經》卷七「時有一人名胞罽,師事逝心,逝心名羅迦藍。」(T03,p0042b)、他本もすべて「罽」に作り、玄應の説は誤りである。《紹興重雕大藏音》卷下《火部》「𤇜,居例反。」(78b)、「居例反」は「罽」と同音である。
 《龍龕》卷三《四部》平聲「[⿱罒𤇜],俗。音旻。」(360)、「⿱罒𤇜」もまた「罽」が変化した字である。「罽→𦌓→[⿱罒𤇜]→𤇜」という変化だと思われる。

【𤈔】19031 チ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤈔、直尼切、音池。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (240)
  𤈔,俗。直尼反。
 「𤈔」は「坻」が変化した字である。《龍龕》卷二《土部》平聲「𡌟𡉶𡉳𡊆𡊇𡊈,六俗。𡉬,通。坵,《玉篇》云:“小渚也。”〾坘,正。直尼反。……。九。」(245)、「坻」は俗に「𡉶」に作る。「一」旁は俗に「灬」に作る。従って「𤈔」は「坻」が変化した字と考えられる《叢考》(692)参照。

【𤈓】19032 セウ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤈓、音炒。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (241)
  [⿰𪸥夘]㶤𤑡䊏[⿱𢑑火][⿰火𢑑],六俗。焣[⿳日丑灬][⿳田毋灬]煼𤊛,五俗。炒𤈓𤊝,三今。皆初巧反。𤏺―也,火乾物也。𤏺,音五髙反。十四。
 「𤈓」は「炒」の異体字「煼」が変化した字である。

【𤉌】19093 テン 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤉌、除廉切。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (241)
  𤉌𤉉,二俗。音徐廉反。
 「𤉌」は呪語用字、無義である。《可洪音義》卷九《玄師颰陁羅所說神呪經》音義「首𤉉:經之呪語,別無切脚。」(59/883c)対応経文:《佛說玄師颰陀所說神呪經》「首利」・《幻師颰陀神呪經》「首黎」(T21,p0901c)に用例がある。《考正》(243)参照。

【𤉎】19094 セウ 義未詳 〔五音篇海〕𤉎、市照切。
《龍龕》卷二《火部》去聲 (243)
  [⿱⿰𠮦刀灬],俗。[⿱⿰𠮦刀灬],正。市照反。二。
 「𤉎」はおそらく「照」の伝抄古文「⿱卲火」が変化した字である。「市照反」はおそらく誤り。

【𤉍】19095 ラウ 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𤉍、力告切。
《篇海》卷十三《火部》七畫引《搜真玉鏡》 (474a)
  𤉍,力告切。
 待考。

【𤉏】19096 シ 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𤉏、音視。
《篇海》卷十三《火部》七畫引《搜真玉鏡》 (474a)
  𤉏,音視。
 「𤉏」は「眡(視)」が変化した字である。《説文》八篇下《見部》「視,瞻也。从見,示聲。眎,古文視。眡,亦古文視。」(177b)、《篇海》卷十三《火部》九畫引《川篇》「𤋇,音視。古文。」(474d)、「𤋇」は「眡」が変化した字である。「𤉏」「𤋇」は近形同音、「𤉏」は「𤋇」が変化した字である。《考釋》(515)参照。

【𤊚】19163 カウ 義未詳 〔五音篇海〕𤊚、苦浪切。
《龍龕》卷二《火部》去聲 (243)
  〾𤊚〾𤌁,二俗。,通。〾𤇛〾炕,二正。苦浪反。盛也,猛火也。
 「𤊚」は「炕」の異体字である。

【煱】19251 クワ 義未詳 〔字彙補〕煱、古誇切、音瓜。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (240)
  ,《舊蔵》作“蝸”。音𤓰。
《篇海》卷十三《火部》八畫引《龍龕》 (474b)
  ,《舊蔵》作“煱”。音𤓰。
 
 「煱」は「蝸」の訛字である。《叢考》(675)参照。
 また「焻」はおそらく「蝸」が変化した字である。《廣韻》平聲《麻韻》古華切「蝸,蝸牛,小螺。」(166)、「焻」「蝸」は近形同音である。《叢考》(674)参照。

【𤋫】19254 ダウ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤋫、音惱。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (242)
  [⿰火⿱山比]𤋫,二俗。音𢙉。
 「𤋫」は「𢙉(惱)」が変化した字である。

【𤋭】19256 ケイ 義未詳 〔字彙補〕𤋭、居溪切。
《篇海》卷十五《日部》九畫引《搜真玉鏡》 (528a)
  𤋭,音稽。
 「𤋭」は「稽」が変化した字である。《篇海》卷十五《日部》九畫引《搜真玉鏡》「[⿱秋日],音稽。」(528a)、《玉篇》卷十五《禾部》「秋,且周切。《說文》曰:“禾穀熟也。”秌,同上。」(288)、「秋」はまた「秌」に作る。したがって「𤋭」「⿱秋日」は同一字種と考えられる。《玉篇》卷十四《稽部》「稽,古奚切。留也,治也,考也,合也,計,當也。」(281)、《名義》卷十四《稽部》「[⿱秋𣅀],居奚反。考也,同也,計,治也,上也,當也,合也」(145a)、「稽」はまた「⿱秋𣅀」に作る。「⿱秋日」は「⿱秋𣅀」が変化した字である。東晋《高崧妻謝氏墓誌》「會[⿱秋日]謝氏」(《校注》2/0247、注釋「[⿱秋日]:『稽』的俗字。」)、北魏《元維墓誌》「羙同會竹,馨䓁[⿱秋日]芬。」(《校注》6/0792)等に用例がある。「𤋭」は「⿱秋日」の「秋」を「秌」に換えた字である。《考釋》(511)参照。

【𤌷】19313 ケイ 義未詳 〔字彙補〕𤌷、許計切。
《玉篇》卷二十一《火部》 (394)
  𤌷,虚計切。
 待考。

【𤍁】19314 サツ 義未詳 〔奚韻〕𤍁、所殺切。
《篇海》卷十三《火部》十畫引《奚韻》 (474b)
  𤍁,所介切。
 「𤍁」は「殺」の加旁異体字である。《集韻》去聲《怪韻》所介切「殺閷煞,疾也,削也。或作“閷、煞”。」(528)、「殺」は俗に「煞」に作る。「𤍁」は「煞」の影響で「殺」に「灬」を加えた字である。《叢考》(694)参照。

【𤌿】19315 シツ 義未詳 〔五音篇海〕𤌿、音疾。
《龍龕》卷二《火部》入聲 (245)
  𤌿,俗。音疾。
 「𤌿」はおそらく「愱(嫉)」が変化した字である。《廣韻》入聲《質韻》秦悉切「愱,愱,毒苦也。」(470)、「𤌿」「愱」は近形同音である。観智院本《名義抄》佛下末《火部》「𤌿,俗“疾”字。」とあるがおそらく誤り。

【𤍀】19317 キヤウ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤍀、音享。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (242)
  𤍀,俗。音嚮。
 待考。また観智院本《名義抄》佛下末《火部》「𤍀,或“響”字。」とある。

【𤏜】19448 キ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤏜、音愧。
《龍龕》卷二《火部》去聲 (243)
  [⿰為火],俗。音愧。
 待考。また観智院本《名義抄》佛下末《火部》「[⿰為火],或“塊”字。」とある。

【𤏗】19452 シン 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤏗、生綿切。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (241)
  𤏗,俗。生錦、無分二反。
 待考。

【𤐔】19501 タン 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤐔、音談。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (241)
  𤐔,徒甘切。
 待考。

【𤐮】19522 音義未詳 〔字彙〕𤐮、見周宣王石鼓文、音義無考。
《字彙》巳集《火部》十四畫 (75c)
  𤐮,見周宣王《石鼓文》。音義無考。
 「𤐮」は「𤒞(炱)」の訛字である。《石鼓文・車工》「𧾨𧾨𤒞𤒞」とある。

【𤑌】19532 音未詳 金明七眞の法字。 〔字彙補〕𤑌、音未詳、三尊譜錄、金明七眞、法字𤑌。
《字彙補》巳集《火部》補字 (577b)
  𤑌,音未詳。《三尊譜錄》:“金明七眞法字𤑌。”
 待考。

【𤑄】19534 ネツ 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𤑄、音熱。
《篇海》卷十三《火部》十四畫引《搜真玉鏡》 (476a)
  [⿲耒月⿱龶火]𤑄,二音𤍠。
 待考。

【𤑩】19553 ジン 義未詳 〔搜眞玉鏡〕𤑩、音燖。
《篇海》卷十三《火部》十四畫引《搜真玉鏡》 (476a)
  𤑩,音燖。
 「𤑩」は「燅(燖)」の異体字「𤏝」が変化した字である。《集韻》平聲《鹽韻》徐廉切「燅𤏝𤍙爓𦢨燖燂煔,徐廉切。《說文》:“於湯中爚肉。”或作“𤏝、𤍙、爓、𦢨、燖、燂、煔”。文十六。」(288)、「𤑩」と「𤏝」「𤍙」は近形同音である。

【𤑪】19554 カイ 義未詳 〔川篇〕𤑪、呼戒切。
《篇海》卷十三《火部》十三畫引《川篇》 (475d)
  𤑪,乎戒切。
 「𤑪」は「䪥(薤)」が変化した字である。《説文》七篇下《韭部》「䪥,菜也。葉似韭。从韭,㕢聲。」(149b)、《王二》去聲《界韻》户届切「[⿱⿰⿱上夕又韭],菜。或“𧂊”,通俗“薤”,《說文》“䪥”。」「韰,《玉篇》:“―惈,猶果敢也。”」(591)、《名義》卷十四《韭部》「䪥,胡戒反。菜也。[⿱癶韭]字。」(146a)、「𤑪」と「韰」「⿱癶韭」は近形同音である。《可洪音義》卷二十三《經律異相》第卅二卷音義「[⿱非灬]葉:上居有反。下余接反。」(60/276c)対応経文:《經律異相》卷三十二《有一王子聞宿命事怖求以還佛》「依韮葉間」(T53,p0177a)、「韭」は俗に「⿱非灬」に作る。「𤑪」は「韰」「⿱癶韭」の「韭」が「⿱韭灬」に変化した字である。《考釋》(517)、《佛教疑難字研究》(254)参照。

【𤑤】19555 ガン 義未詳 〔川篇〕𤑤、音鴈、又音岸。
《篇海》卷十三《火部》十三畫引《川篇》 (475d)
  𤑤,五澗切。又音岸。
 「𤑤」は「㷳」の異体字である。《集韻》去聲《諫韻》魚澗切「㷳,《說文》:“水[火]色也。”」(560)、同《翰韻》魚旰切「㷳,火色。」(554)、「𤑤」「㷳」は同音である。同《諫韻》魚澗切「雁,《說文》:“鳥也。”徐鉉曰:“雁,知時鳥。大夫以爲摯,昬禮用之。”通作“鴈”。」(560)、「雁」はまた「鴈」に作る。「𤑤」は「㷳」の「雁」を「鴈」に換えた字である。

【𤑦】19557 テン・テキ 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤑦、音忝、又音啇、又音適。
《龍龕》卷二《火部》平聲 (239)
  [⿰火⿺辶商]熵,二俗。忝、商、[⿺辶商]三音。
《篇海》十三《火部》十四畫引《龍龕》 (476a)
  𤑦,忝、啇、適三音。
 「𤑦」は「擿」の換形旁異体字である。《慧琳音義》卷四十七《無量壽論》音義「火擿:下呈隻反。《考聲》:“摘,撥也。”《說文》云:“投也。從手。”論從火作“擿”,誤也。」(1325a)、「𤑦」はおそらく「火」の影響を受けて「擿」の篇が「火」に換わった字である。

【𤑡】19558 セウ 義未詳 〔五音篇海〕𤑡、音炒。
《龍龕》卷二《火部》上聲 (241)
  [⿰𪸥夘]㶤𤑡䊏[⿱𢑑火][⿰火𢑑],六俗。焣[⿳日丑灬][⿳田毋灬]煼𤊛,五俗。炒𤈓𤊝,三今。皆初巧反。𤏺―也,火乾物也。𤏺,音五髙反。十四。
 「𤑡」は「炒」の異体字「煼」が変化した字である。

【𤑣】19559 サツ 義未詳 〔五音篇海〕𤑣、音煞。
《篇海》十三《火部》十五畫引《類篇》 (476b)
  𤑣,音煞。
 待考。また観智院本《名義抄》佛下末《火部》「𤑣,カハク。」とある。

【𤑥】19560 バク 義未詳 〔龍龕手鑑〕𤑥、音爆。
《龍龕》卷二《火部》去聲 (242)
  [⿰火𣊴]爆𪹼𤑥,四正。布教、布角、歩角、普駮四反。皆火列聲也,灹也,落也,灼也。六。
 「𤑥」は「爆」の篆書を楷書化した字である。

【𤒝】19593 ヤク 義未詳 〔字彙補〕𤒝、義未詳、太上老君碑有𤂼・𤒝二字、皆音藥。
《字彙補》巳集《火部》補字 (577b)
  𤒝,《太上老君碑》有“𤂼、𤒝”二字,皆音藥。
 待考。

【𤒔】19595 ハク 義未詳 〔五音篇海〕𤒔、音煿。
《篇海》十三《火部》十五畫引《類篇》 (476b)
  𤒔,音煿。
 待考。「煿」の換声旁異体字か。

【𤓑】19629 ケキ 義未詳 〔五音篇海〕𤓑、古歴切、出道地經。
《龍龕》卷二《火部》入聲 (244)
  𤓑,《𦾔蔵》作“䯜”。古歴反。出《道地經》。
 「𤓑」は「傷」が変化した字である。「古歴反」は誤り。《可洪音義》卷二十一《道地經》音義「髓[⿰骨昜]:始羊反,損也,正作“傷”也。《玉篇》及郭氏音並音惕,―,他的反。《玉篇》又徒厄反。並非經意也。《切韻》音撃,骻間黄汁也,亦非義。」(60/208c)対応経文:僧伽羅剎造・後漢・安世高譯《道地經》「復一風起,名破骨風,令病者骨髓傷(宋、元、明本作“[⿰骨昜]”,宮本作“腦”)。」(T1,p0233b)、「⿰骨昜」は「髓」の影響を受けて「傷」の偏が「骨」に換わった字である。また「䯜」「𤓑」は「⿰骨昜」が変化した字である。《考正》(454)、《隨函錄研究》(276)、《可洪音義研究》(207)参照。

【𤓤】19642 セン 義未詳 〔川篇〕𤓤、先踐切。
《篇海》十三《火部》二十畫引《川篇》 (476c)
  [⿱⿰𠁅𠁅火],先踐切。
 「𤓤」はおそらく「燹」が変化した字である。《廣韻》上聲《獮韻》息淺切「燹,《字林》云:“逆燒。”又音銑。」(290)、「⿱⿰𠁅𠁅火」「燹」は近形同音である。《叢考》(690)参照。

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